介護ではたらくみんなを応援! コウベ de カイゴ

日本に来てから、
無資格で介護に挑戦。
人の役に立つ仕事をする
という夢を実現できた!
地域密着型特別養護老人ホーム うみのほしルルド
介護職員 チョ ヨンフンさん(20代)

結婚という
人生の転機を
きっかけに日本へ。

私は韓国出身なのですが、高校生までは自転車競技をしたり、ジムでトレーナーをしたりしていました。アニメや映画といった日本文化に興味があり、いろいろな人と交流している中で、ソウルに語学留学に来ていた妻と出会いました。就職の準備をしているときに子供を授かったことがわかり、日本に来て結婚をしました。妻が明石出身だったということもあり、実家が近く、地縁もある神戸で暮らすようになりました。

来日してからは韓国での経験を生かし、自転車店に就職して販売員をしていました。その後は転職して、韓国の製造業メーカーの製品を輸入販売する会社で営業の仕事をしていました。もともと小さい時から人の役に立つことがしたくて消防士になるのが夢だったこともあり、これからの将来や生活のことを考えて介護の道に進もうと考えるようになりました。
韓国には介護施設があまりなく、介護保険の制度も日本のように整っていないので、介護については、ほとんど知りませんでした。知人に介護施設を経営している人や、福祉の専門学校に通っている人がいて、いろいろ話を聞いたところ、無資格からはじめられるし、自分に合っているのではないかと思って決意しました。

外国人だからという
目線のない利用者との
コミュケーションが楽しい。

今は介護の業界に入って半年ほど経ちました。まだ資格はもっておらず、排泄介助などの研修を受けたところです。施設は特別養護老人ホームで、多くの認知症の方が生活をされていて、トイレやお風呂の介助を中心に、皆さんの身の回りをサポートする毎日です。

自転車の販売員をしていた時は、名札の名前を見たり、会話がおぼつかなかったりすることで、ネガティブなリアクションをされるお客さんもいました。ここにおられる利用者さんは子どものようにピュアで、そういった目で見られることはありません。逆に「外国人だったの?」と言われることがあるくらいです。文化や言葉のちがいを教わったり、知ってもらったりすることもあり、楽しいです。

私はコミュニケーションをとるのが好きな性格なので言葉だけじゃなくて、ボディタッチや行動で気持ちをあらわすことを心がけています。そうすることで、コミュニケーションの方法は言葉だけではないことを知りました。さまざまな表現をすることで、「こうしたら伝わるんだ」と勉強になる場面は結構ありますね。

経験や知識を
もっと身につけて、
まずは資格をとりたい。

これからは介護福祉士やケアマネージャーといった資格を取りたいと思っています。資格の勉強は専門用語が多く、たとえば入れ歯ではなく義歯とか、外国人の私にとっては難しい言葉もたくさんありますが、今はパソコンですぐ調べられますし、妻に聞くこともできるのでその点は助かっています。

チームのリーダーはケアマネージャーもされているので、気になることあればすぐに聞くようにしています。でも私自身、まだまだ足りない部分はいっぱいありますね。事故を起こさないように自分なりに考えて行動していますが、それでも事故になりそうなケースもあったので、そうならないために経験と知識を身につけたいです。
もともと韓国でトレーナーをやっていたので、身体の動き方は知っているのですが、介助とトレーニングではやはりちがいます。介助のための動き方も、もっと勉強しないといけないと思っています。

そして将来的にはAI技術を使って利用者の方の生活をデータ化してサービスや職員の働き方にいかしたり、言葉を発せられない利用者の方とコミュニケーションできるようにしたり、介護のビジネスを広げられるようなことができたらと思っています。

PROFILE

チョ ヨンフンさん(20代)介護職員
結婚を機に、2017年に韓国から来日。約5年間、日本で社会経験を積み、2022年から無資格で介護の業界へ。介護職員として働きながら、資格取得をめざす。
地域密着型特別養護老人ホーム
うみのほしルルド
<東灘区>
全室個室の小規模単位でのケアを展開。日常的に介護が必要な入居者に対して、介護等の日常生活上のお世話や機能訓練から、その他必要な支援までを行う。