介護ではたらくみんなを応援! コウベ de カイゴ

障害のある人も、
ない人も、分け隔てなく
接する世の中になるよう
サポートしたい!
須磨区障害者地域生活支援拠点
スマイルこすもす
障害者施設職員
河原木 勇人さん(30代)

生まれ育った横浜以外で、
介護の仕事に携わりたい。
それが神戸で働くきっかけ。

小学生のときに高齢者施設に行ったときに、歌をうたったことが楽しくて、そのころから漠然と将来は福祉の道に進みたいと思っていました。あとは友だちの弟が障害があったり、通っていた学童保育に障害のある子がいたり、障害がある人たちと関わることが多かったことも理由のひとつです。
大学では福祉全般を勉強して、その後は地元の横浜で障害分野の施設で勤務していました。働きだしてから、福祉の仕事をいろいろ見てみたいという気持ちが強くなり、北海道から沖縄まで全国で求人を探しました。生まれ育った横浜以外で、介護の仕事をしてみたかったんです。その結果、今の勤務先と出会い、神戸で働くことになりました。

施設には年齢や性別を問わず、いろいろな方がいます。知識や介助技術など、今までに学んだベースはあるんですけど、一人ひとり違うので、こんな対応の仕方があるのかと気づくことが多くあります。接し方も、同じ知的障害がある方でも全然ちがっていて、自分が思うやり方じゃない方法で、他の職員がうまく対処しているのを見ると、こういう方法もあるんだなと勉強になるし、発見できることが楽しいです。

たとえ話せなくても、
気づかされる
ことが多い毎日。

日々の仕事では、利用者の方に気づかされることもよくあります。皆さんすごく私たちのことを見ていて、喋りやすいとか、話しかけにくいとか、職員一人ひとりについてよく知っています。例えば朝とか、バタバタして余裕がない時に利用者さんから「なんか風邪、ひいてるの?」と言われた時とか、やっぱりそんな風に見えていたんだなって、気づかされます。自分的にはいつもどおり振舞っていたつもりでしたし、一般的には気づかれない感じだったと思います。ほかにも、普段と何の変わりもなかったんですけど、「なんか眠いの?」とふとした時に言われたり、介助をしながら頭の中で次のタスクを整理していると「 聞いてる?」と言われたりします。

今は日常的にマスクをしているので、わからないだろうと思っていたんですけど、会話ができる利用者さんには言われますし、知的障害があり、ことばでのコミュニケーションが苦手な方でも余裕がない感じを出すと伝わるのか、利用者さんも不安になって動き回るので、こちらのキモチが伝わっちゃったなって思うことがよくあります。物を置いた音とか、ちょっと小走りで走る音とかでも気づかれますね。

障害者と健常者、
という区別が
なくなる世の中に!

私たちの仕事は健常者の生活と障害のある方の生活の壁をなくす、サポートをしていくことだと思うんですね。理想は、両者をわけるのではなく、普通の関わり方で、何の隔たりもないカタチです。たぶん昔って、もっと障害に理解がなかったと思うんですけど、実際に働いて接してみて、自分も一緒だなと思う。ふとした自分のこだわりとか、人とはちがう価値観とか人によってその差が大きいか、小さいかだけで、障害と呼ばれてしまっているのではないかと。

「障害者の方の中でも知的障害がある人の特徴は~」といった理解は、働いている私はわかるんですけど…。家族とか、友だちとか、福祉や介護と無縁の暮らしをしている人と話すと全然知らなくて、やっぱり関わらないとわからないんだなと思うことがよくあります。だから障害者の方たちと働く人が増えて、 家族や友だちとちょっと話す機会があって、 もし街で障害がある人に出会っても、ネガティブな気持ちにならずに、むしろ困っている様子を見かけたら声をかけるような社会になればうれしいですね。

PROFILE

河原木 勇人さん(30代)障害者施設職員
大学時代は社会福祉全般を学び、卒業後は地元横浜で社会福祉法人に就職し、障害者支援に携わる。その後、神戸市の障害福祉サービス事業所支援施設に転職、現在に至る。
須磨区障害者地域生活支援拠点
スマイルこすもす
<須磨区>
障害の種別を問わず、身体・知的・精神障害のある方々を対象に生活介護と短期入所のサービスを提供。家族や介護者の負担軽減、地域で暮らす障害者のサポートをめざす。

※「障害」の表記につきましては、法令に準じています。