介護ではたらくみんなを応援! コウベ de カイゴ

外国人介護職員も
いきいきと活躍する、
充実した設備環境。

西区 特別養護老人ホーム 櫻ホーム西神

外国籍の職員がのびのびと働ける職場環境をつくるにはどうすればいいのか? そのヒントを、特別養護老人ホーム 櫻ホーム西神で働くベトナム人職員のドー・ティ・フォン・アンさんと、介護課長の北野さんに伺った。

取材に伺ったゲンバ

特別養護老人ホーム 櫻ホーム西神<西区>
2020年の開設時から、オーストラリア発祥の介護方法「ノーリフトケア」を関西圏で先駆けて導入。複数名の外国人介護職員が勤務し、施設近隣には職員向け住居(住宅)を用意するなど、働きやすい環境づくりにも注力する。

法人HP

1. ベトナムから日本へ。
笑顔と「ありがとう」でつながる仕事。
特別養護老人ホーム 櫻ホーム西神で働く、ベトナム人職員のアンさん。アニメをきっかけに漢字や着物といった日本文化に興味を持ち、高校卒業後に日本へ留学する道を選んだ。

岡山の医療福祉専門学校を卒業した後、社会福祉法人桜谷福祉会に入りました。介護の仕事を選んだのは、ベトナムのおじいちゃんとおばあちゃんのお世話をしたいと思ったからです。それとたくさんのご入居者や職員の方と触れ合うことで、日本語も上手になれるかなと思いました。

お話いただいたドー・ティ・フォン・アンさん

いきいきと明るい笑顔で話してくれるアンさん。入職当初は、特別養護老人ホーム 桜谷荘に配属され、2年目から現在の櫻ホーム西神へと移ってきた。専門学校在学中に介護福祉士の資格を取得していたこともあり、介護の仕事にはすんなりと馴染めたという。

現在、ご入居者の皆さんにより良い生活を送ってもらうためのサポート業務を行っています。また、レクリエーションや普段のコミュニケーションを通じて、ご入居者の楽しい時間をつくることも大切な仕事です。櫻ホーム西神は便利な機械が多いので、女性の方でも働きやすいと思います。

仕事のやりがいについても尋ねてみた。

一番うれしいのは、ご入居者の笑顔を見られた時です。入居されたばかりであまりお話ししなかったご入居者が笑顔で職員と喋っていたり、ご家族様から「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と言われた時に、すごくやりがいを感じます。

2. 「ずっと日本にいたい」
そう思える環境がここにはある。
日本に来て5年目とのことだが、ふるさとが恋しくなったり寂しくなったりはしないのだろうか。

ベトナムにいる友達や家族とは、毎日オンライン通話をしています。それに施設のご入居者も、私がベトナム人だと知ってくれていて、日本に働きに来た私を応援してくれているんです。いつも皆さんから「アンちゃんアンちゃん」って呼ばれています。

当施設で働く4名の外国人介護職員は、アンさんを含めて全員がベトナム出身。岡山時代にできたベトナム人の友人とも同じ職場で働き、当法人名義の同じ住宅で暮らしている。

家に帰ってからは、N1取得(日本語能力試験の最も難易度が高いレベル)を目指して日本語のオンライン授業に参加したり、介護の勉強をしたりしています。

お休みの日には友人と食事に行ったり、旅行に出かけたりするというアンさん。多い時には、週に3回お寿司を食べることも。また日本文化が好きなだけあって、お気に入りの旅行先は白川郷と京都とのこと。

私の目標は、ずっと日本にいることです。お仕事も、いまは介護を続けていきたいと思っています。いまの職員さんたちがすごくやさしくて、離れたくないから。皆さん一生懸命に仕事をしていて、その姿勢を学んでがんばっています。

3. 質の高いサービスと職員の働きやすさ、
その両方を叶える最新機器。
そんなアンさんが働く特別養護老人ホーム櫻ホーム西神は、オーストラリア発祥の介護方法「ノーリフトケア」を関西でいち早く導入している。ご入居者の安心・安全に配慮したシステムだが、職員にも大きなメリットがあると北野さんは語る。

従来の移乗方法では、ご入居者が緊張して硬直されることもありましたが、リフトを使用することで、リラックスした状態で介助が行えるようになりました。また業界全体を悩ませる職員の身体への負担も、リフトの導入によって大幅に軽減されています。

天井走行リフトのレールが全居室に設置されている当施設。さらには眠りスキャンやインカム、介護支援ソフトといった先進的なテクノロジーを積極的に取り入れている。

当施設の特徴として、看取り介護を大事にしている点が挙げられます。眠りスキャン では、ご入居者の呼吸と心拍を常時モニタリングし、そのデータが職員のスマートフォンに送られるため、万が一異変があればすぐにご家族に連絡し、迅速に対応することが可能なんです。

眠りスキャンは、ご入居者の睡眠パターンが把握できるため、眠りが浅くなった時にタイミングよくオムツ交換が行えるなど、日常的なケアの質を向上させる役割も果たしている。
4. 国籍に関係なく、みんなが
安心して働ける環境をつくっていく。
櫻ホーム西神では眠りスキャンの導入によって、夜間の対応も安全かつ効率的に行えるようになったという。

たとえば、夜間に介助をしている際に、転倒リスクの高いご入居者が起床したという情報が入れば、すぐに対応を切り替えて駆けつけることができます。

当施設のベトナム人職員からも「何かあった時にひとりで対応できるか不安」という声が上がっていた。しかしこの眠りスキャンが発する情報は、難しい専門用語が理解できなくても、視覚的にわかりやすく表示してくれると北野さんは言う。

画面上のデータは色や数字で表示されるので、国籍を問わず誰でも簡単に確認することができます。これは日本人職員にとっても同様で、直感的に把握できるわかりやすさが好評です。

先ほどのアンさんにも話を伺ってみたが、このシステムのおかげで夜勤に対する苦手意識はなく、むしろ「好き」だと言う。

この色だとご入居者が起きている、この色だと寝ているということがいつでもすぐにわかるので、安心して夜勤ができています。

外国人と日本人、言語や文化の違いはあっても、ご入居者を大事にしたいという想いは変わらない。これからも、ともに学び、ともに成長しながら、櫻ホーム西神は最高の介護サービスを追求していく。