介護ではたらくみんなを応援! コウベ de カイゴ

50代目前で介護の道へ。
空手でめざした強さを、
これからは人を
守れる強さにしたい。
離宮しあわせ荘
介護職員 源 博貴さん(50代)

新しい自分に
変わるために選んだ
介護という仕事。

高校を卒業してからさまざまな職に就いてきました。前職は長田区のゴム製造業だったのですがコロナ禍で会社の業績が悪くなってしまいました。また、同時期に介護施設に入っていた母方の祖母が亡くなりました。田舎なので疎遠になっていましたが、昔はいろいろ援助や世話をしてもらったし、母親から話を聞いて会いたくなったこともあり、施設へ面会に行こうと思った矢先の出来事だったのでとてもショックを受けました。

それまでは好き勝手に生きてきましたが、転職を機に自分を変えようと思うようになりました。祖母の担当だったケアマネジャーの方が葬儀に参列し、いろいろ私たち家族のサポートをしてくださったことや、周りの人からも介護の仕事がいいのではないかと勧められたことが後押しとなり、少しでも人の役に立てることがしたいと思い、介護の道に進むことを決めました。

また一時期、整体の仕事を経営していたことがあり、施術した時にお客さんから「ありがとう」と言われたことが記憶に残っていました。他の仕事では、できて当たり前、できないと怒られるという経験をたくさんしてきましたが、整体の仕事のように「ありがとう」と言ってもらえる仕事に就きたいと思ったのも大きな理由のひとつです。

今までの経験が
仕事にいかされ
自分の強みになっている。

介護の業界に入った当初から今のデイサービスにお世話になっていて、今年で2年目になります。初任者研修制度からはじまり、神戸市高齢者介護士認定制度にも合格しました。普段の業務では食事、入浴、それから排泄といった介助を中心に、利用者さんのサポートをしています。

若いころは、道場を開きたいと思うくらい空手に没頭していました。その経験を活かし、空手の型をアレンジしたレクリエーションをしています。今はコロナがあるので声は出しませんが、その代わりに腹式呼吸をメインにしながら、利用者の皆さんといっしょに身体を動かし、必要であれば空手の型の豆知識をレクチャーしています。

また整体師だった経験や知識が仕事で活かされることもあります。介護の仕事は自立支援なので、利用者さんが動こうとする動作をアシストすることが大切です。そのため、どう動いたら安全なのか、身体の動かし方といった整体師のチカラは役立っていますね。
あと大切にしているのは利用者さんの話を聞くことです。いろいろお話をするなかで、お互いの体験や価値観をすり合わせて共通点を見つけ出し、それをきっかけに距離を縮めるようにしています。

強い人とは、
人に優しくなれる人。
そうなれるよう介護で極めたい。

これまで職を転々としていた時は、年下で自分より職歴の長い同僚に高圧的な指示をされて喧嘩をしてしまうこともありましたが、今はそういったことは全くありません。もちろん今の職場でも年下で自分よりキャリアの長い先輩もいて、人と接する仕事だからこそ、時には厳しいことを言われることもありますが、私のことを尊重して教えていただいています。

昔からずっと、強さに憧れてきました。今も続けている空手ですが、一度自暴自棄になった時にやめてしまい、整体師の職も成功しませんでした。あるテレビ番組を見ていた時、出演者が「本当に強い人は、人に優しくなれる人です」と言っていたことに共感を覚え、私の中の強さの定義が変わりました。介護に携わる人はまさに人に優しくなれる強い人だと思い、仕事における向上心がより高まりました。

これからはまず、身体介護の技術を身に付けたいですね。いまはまだ力任せに行なっている部分が多いので。そして実務者研修、介護福祉士の資格も合わせてめざしていきたいです。この業界は、私のように他業種での社会経験や人生経験を活かせる仕事です。
必要なのは、やる気だけ。ぜひ飛び込んでみてください。


神戸市高齢者介護士認定制度

神戸市全体の介護サービスの質及び職員の社会的評価の向上のために創設された神戸市独自の認定制度。

https://kobedekaigo.city.kobe.lg.jp/kaigonocareer/kaigonocareer_page3/

PROFILE

源 博貴さん(50代)介護職員
50代を目前に介護職へ挑戦。デイサービス職員としての業務のほかに、長年続けている空手をいかしたレクリエーションに取り組む。今後は、介護福祉士の資格取得をめざす。
離宮しあわせ荘<須磨区>
特別養護老人ホーム、グループホーム、ショートステイ、デイサービスを行う総合介護施設。「個人」を大切に。