2017年に22歳で来日しました。ベトナムの大学で法律を学んだ後、「日本で就職したい」という思いから留学を決意しました。友人や先輩から「日本はとてもいい国」と聞き、とても魅力を感じたのを覚えています。

来日後、日本語学校で2年間学び、その間にアルバイトとして社会福祉法人報恩会が運営する総合介護施設「ラグナケア中道」のショートステイ部門で、介護の仕事を始めました。

介護の仕事にやりがいを感じ、専門学校に通って学びたいと考えるようになりましたが、学費の支払いに不安があったため職場に相談したところ、全額支援してもらえることになったんです。そのおかげで専門学校に通った2年間は勉強に集中することができ、介護福祉国家試験に一発合格できました。施設の職員や理事長に報告したところ、みんなに喜んでもらえて「とてもあたたかい職場だな」と嬉しかったのを覚えています。

専門学校卒業後の2020年に、正社員として社会福祉法人報恩会に就職し、アルバイトで勤務していたラグナケア中道にそのまま配属になりました。

現在の主な業務は、ショートステイでの介助業務と、体調等の変化がないかの見守りです。ケアプランの作成もしています。一般的な介護施設と同じ業務内容ですが、ショートステイで過ごすことに不安を感じる利用者様も多いので、安心して過ごせるよう配慮して介護をするようにしています。利用者様の笑顔が見られると、本当に嬉しいです。知らなかったことを教えてもらえることもあり、お話をしていると、すごく勉強になります。

就職してすぐに妊娠がわかり、しばらくして産休に入りました。周りのみなさんが笑顔で「子育て頑張ってね」と快く送り出してくれて、とても嬉しかったです。その際は出産関連の手続きのアドバイスもしてもらえ、故郷から遠く離れた日本での出産だったので、本当に心強かったです。復帰後も、本当に優しく接してくれています。2回産休を取得していますが、ブランクで困ることはほとんどありませんでした。

現在は、4歳と2歳の2人の子どもの子育てをしながら、夜勤もこなしています。大変なこともありますが、施設のメンバーのサポートや夫の協力のもと、安心して仕事ができています。趣味は、ダンス動画を動画サイトに投稿することです。仕事もプライベートも毎日充実しています。

業務中に言葉の壁を感じることもあります。日常会話はスムーズにできても、緊急時の家族への連絡や病院とのやり取りは難しいと感じています。そういったときは、リーダーや看護師に相談して、連絡をお願いしています。みなさん優しいので、そういった相談もしやすいですね。

私以外にも2名の外国人介護職員がいて、2人ともベトナム人です。私の方が先輩なので、介護業務を教えるのはもちろん、日本語でのコミュニケーションなど、私の経験を活かしてアドバイスしています。休日にはLINEで連絡を取り合い「頑張ろうね」と励まし合っていますね。 私の経験から、ある程度日本語を話せるのであれば、外国人も介護職員として活躍できると感じています。年配の方と接するのが好きな方であれば、大変だなと感じることはあっても、やりがいを持って取り組めます。

専門学校などで介護の勉強をしている方は、ぜひ頑張って資格を取得してください。しっかり給料をもらえる職場に就職できますし、頑張る価値は十分にあると思います。

今後の目標は、医療通訳士（医療現場で外国人が母国語で医療サービスを受けられるように、医療従事者と外国人患者のやりとりの仲介をする仕事）の資格を取得することです。2級はすでに取得していて、今は1級を目指して勉強中です。私自身が出産のときに病院で言葉に困ったので、「ベトナムの仲間の役に立ちたい」と思い、取得することにしました。友達が病院を受診するときに、言葉の関係で医師や看護師とのコミュニケーションが取りにくいので、私がついていくことがあるんです。しかし、検診する場所には入れない場合も少なくありません。資格を取得すれば一緒に入って話を聞きコミュニケーションをサポートできます。週1回オンライン講座を受講して、休日などにも勉強しています。来年の試験に合格できるよう、頑張りたいです。

日本は医療制度や教育制度が整っていて環境がよいので、しばらくは日本で子育てをする予定です。今の介護の仕事をしながら、5年後・10年後には他の医療系資格を取得したいと考えています。