介護ではたらくみんなを応援! コウベ de カイゴ

地域と手をつなぎ、
みなさまに頼られる
地域包括支援センターを
目指す。
医療法人社団仁有会 西神中央あんしんすこやかセンター
センター長 木下 真由美さん(40代)

1. 祖父の認知症をきっかけに
社会福祉士を志す。

大学を卒業後、約10年にわたって一般企業で働いていました。福祉の仕事を目指したきっかけは、祖父の認知症です。私たち家族は制度も含め何も分からない状態から介護がスタートし、社会福祉士さんやケアマネジャーさんに大変お世話になりました。本当に困っている人を助けられる素晴らしい仕事だと感銘を受けたのを覚えています。

木下氏のキャリア概要図。32歳の時に祖父の認知症をきっかけに福祉の道を志す。33歳の時に福祉大学3年次に編入学。働きながら通信制で学ぶ。34歳の時に 特別養護老人ホームに入職。37歳の時に現在の法人に入職し、地域包括支援センターである西神中央あんしんすこやかセンターに配属。現在はセンター長に就任。地域と連携してさまざまな取り組みを行っている。

しばらくは働きながら通信教育で勉強していたのですが、社会福祉士試験の結果を待たずに、介護業界で働くことにしました。
大学卒業後に就職したのは、特別養護老人ホーム・デイサービス・ショートステイを運営している法人です。私は特別養護老人ホームに配属され、3年間勤務し、介護・福祉職としての基礎を身に着けました。

2. 憧れのあんしんすこやかセンターへ

その後、縁あって医療法人社団仁有会に入職。神戸市の委託事業である西神中央あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)に配属されました。

特別養護老人ホームでの経験が活かせる部分もありますが、あんしんすこやかセンターでは全く違うスキルが求められました。前職で培ったIT知識や企画デザイン、営業力も活かせる現場であり、幅広いスキルが試せる環境です。また、神戸市の新任研修がとても充実しており、しっかりとしたマニュアルも整備されていたので、ある程度は自分で調べながら仕事ができ、とても助かったのを覚えています。

入職して最初のうちは、対人援助の難しさに悩んだこともあります。ですが、周りの職員や近隣地域を担当するあんしんすこやかセンターの職員に助けられ、仕事を続けられました。他センターの職員と悩みを共有したり、高めあったりする場が持てたのは、本当にありがたかったですね。

3. 信頼できる人たちの存在が
チャレンジを後押し。

数年間経験を積んだ後に、センター長に就任しました。挑戦を決めた理由は、「いただいたチャンスにチャレンジしたい」と思ったからです。そう思えたのは、周りの人のおかげです。

「人は宝です」と法人の理事長が話している通り、当センターは、全員がチームとして助け合って仕事をしています。センター長として仕事をしていて、もし困難が立ちはだかっても「きっと周りの人が助けてくれる」と信じられるメンバーに恵まれているからこそ、挑戦できました。

センター長に就任後は、職員が一人で悩みを抱え込まないよう、訪問から戻ってきた人には積極的に声掛けをするなどの取り組みをしています。難しい課題があったとしても、明日には笑って仕事ができる職場でありたいと思い、明るくコミュニケーションをとる工夫をしています。「あんしんすこやかセンターで働く限り、絶対に一人じゃない」と自信を持って言い切れます。

センター内の会議室にて、各職員どうしの情報共有や意見交換をしている様子。

4. たくさんの人と手をつなぎ
地域課題を解決する。

一番のやりがいは、たくさんの人たちと手をつないで、地域課題の解決に向けて新しい取り組みができることです。認知症の方やそのご家族などが気軽に集まれる「こうべオレンジカフェ(認知症カフェ)」の立ち上げから活動など、スムーズに専門職(医療や介護など)による支援の手が届くような様々な仕組みづくりの活動をしています。

こうした取り組みは、あんしんすこやかセンターが持つデータや地域住民の声、そして地域団体や商業施設、病院、薬局、警察、行政、弁護士、司法書士、介護保険事業所など、日ごろから様々な局面で一緒にお仕事させていただいている皆さまとの連携、ご協力から生まれています。

「あんしんすこやかセンター」内にて「こうべオレンジカフェ(認知症カフェ)」の開催の様子や、見守り活動など案内する高齢者総合相談窓口付近の様子。
5. 地域の誰もが知る・頼れる
あんしんすこやかセンターを目指して。

今後の目標は、誰もが知るあんしんすこやかセンターになることです。当センターの担当地域の高齢者の人数は1万1,200人ほどです。その一人ひとりに直接ごあいさつをすることは難しいですけれども、利用者の方に「あそこのセンターの職員さんは親切だよ」と言っていただけるようになりたいですね。

口コミが広がれば、自然とたくさんの人の耳に入って「困ったらあそこに相談したらいいよ」と存在を知ってもらえます。その結果、介護を必要とする方やそのご家族が一人で悩まずに、すぐに相談いただけるようになるはずです。これまで以上に地域のみなさまにとって、頼れるセンターを目指していきます。

※「あんしんすこやかセンター」は、「地域包括支援センター」の神戸市における愛称で、高齢者の介護相談窓口です。
保健師等、社会福祉士等、主任介護支援専門員、地域支え合い推進員を配置し、概ね中学校区に1か所の割合で設置しています。
詳しくはこちら(神戸市HP:https://www.city.kobe.lg.jp/a46210/kenko/fukushi/carenet/ansuko-center/index.html

PROFILE

木下 真由美さん(40代)センター長
大学卒業後は一般企業に就職。祖父の認知症をきっかけに社会福祉士を志す。福祉大学3年次に編入学し、働きながら通信制で学ぶ。卒業後は特別養護老人ホームに入職して経験を積み、現在の地域包括支援センターである西神中央あんしんすこやかセンターに入職。