自分の「好き」を続けながら、
多彩な可能性を模索できる仕事。
- 神戸市社会福祉協議会 きた障害者相談支援センター
- 相談員 長谷川 舞さん(30代)
福祉の世界へ。
大学進学を控えていた高校生の頃。将来の仕事を想像したときに、心の中に浮かび上がったのが「好きなこと」と「人の力になりたい」という2つの思いでした。幼い頃から絵を描くのが好きだったこともあり、芸術の道へと進むことも考えていたのですが、最終的に踏み出すことができず。そこで、福祉職であれば困っている人を助けることができるうえ、この先の社会でも大いに必要とされ続けるのではと思い、福祉学科へ進学することに決めました。
大学卒業後は、児童発達相談支援センターを運営する法人に就職。児童指導員として、障害のあるお子様の生活や遊び、コミュニケーションの支援に励みました。様々な遊びを通して発達を育み、体力やアイデア力が鍛えられる職場でもありましたね。
新しい視点。
前職に7年間勤めたあと、現在は地域の障害のある方の相談支援窓口の相談員として活動中です。障害のある方から、日常生活の困りごとの相談をお受けし、支援ヘルパーや訪問看護といった専門家の方々との橋渡しをする役割を担っています。障害がある方やそのご家族、地域の生活を支える多様な職種の方たちとの出会いを通じて、お互いに影響を与えあうことができるのが、この仕事の大きな魅力だと思っています。できること、強みや良いところに着目する「ストレングス視点」の重要性も、皆さんとの交流の中で学べたことのひとつです。
障害があると、つい、できないことやネガティブな面に着目されてしまいます。しかしできることや得意なことに焦点を当てることで、その方の持つ力を引き出し、可能性を広げることができます。このような、仕事を通じて得られた新たな視点や学びが、業務だけでなく、私自身の日常や人生観にもプラスの影響を与えていると感じています。
どちらも充実できる環境。
仕事のオンとオフを切り替えて、プライベートが充実できるのも嬉しいポイントです。シフト制の勤務なので、人の少ない平日に旅行に出かける、なんてことも。先日も職場の同僚とでかけたり、友人と地域のお祭りに行ってきました。普段も家でのんびり過ごしたり、近所の山を散歩がてらに歩いてみたり、語学の勉強をしたりと充実した休日を過ごしています。
仕事に関しても、訪問の調整や事務作業など自分でスケジュールを組んで行動することができて、自分に合った職場環境だと感じています。仕事中も、何か難しいことが発生したときには職場の仲間たちからアドバイスをもらったり、相談して一緒に解決策を考えたりして、和気あいあいと助けあいながら業務に取り組んでいます。
仕事に必要なスキルを身につけるための研修に参加したりと、自ら勉強する機会に恵まれている点もありがたいですね。残業をはじめとする労働時間への意識も高く、非常にワークライフバランスのよい職場だと思います。
「好きなこと」は続けていく。
いろいろな趣味に取り組みながらも、やはり一番好きなのは絵を描くことです。実は、転職活動の際にも一度その道へ進もうかと考えたのですが、自分の強みや資格を振り返ったときにいまの職場がベストな選択だと判断しました。いまでも趣味として絵を描き続けており、少し前までは絵を描く社会人サークルにも所属していました。
私は特に似顔絵を描くのが好きなのですが、以前職場の同僚が退職する際に、その方をポップにデフォルメした似顔絵を描いてその絵を贈りました。とても喜んでいただけて嬉しかったです。これからもずっと絵を描き続けていきたいと思っています。
その視線は海外にも。
今後の目標としては、障害のある方の暮らしを支えるという点で、もっとご本人や家族が安心して暮らせるように努めていきたいですね。社会資源が少ないなどの課題は単なる個別のケースの問題ではなく、地域全体あるいは社会全体の課題でもあると思うので、行政をはじめとする公的機関と一緒に考えていけたらと思っています。
その一方で、個人的には「外の世界を見に行ってみたい」という気持ちもあります。海外でのソーシャルワークや、あるいはウェブデザイナーといった異業種にも興味があるのですが、どんな職種であっても、この仕事で学んだことが大いに力になると思っています。
これからも仕事とプライベートとでさまざまな活動を行いながら、自分の世界を広げて、さらなる可能性を模索していけたらと思います。
PROFILE
- 長谷川 舞さん(30代)相談員
- 大学は福祉学科に入学し、在学中に社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得。卒業後、児童発達支援センターの児童指導員を経て、神戸市社会福祉協議会・きた障害者相談支援センターの相談員に。障害者が地域で自分らしく安心して暮らし続けるために、支援事業者とのつなぎ役を担う。